先人の仕事に触れて


京都・今出川にある「四君子苑」と「北村美術館」の春の特別公開に行ってきました。

 

今年は桜の開花が遅れたおかげで、庭の枝垂れ桜の花が残っており、生命力に満ち溢れていました。北村美術館のホールから見たお庭も美しかったです。

 

「四君子苑」は、実業家の北村謹次郎さんの旧邸で、昭和19年に数寄屋の名工 北村捨次郎さんが手掛けたことから始まります。戦後、進駐軍に母屋を接収・改造されたため、昭和38年に母屋の建て替えを建築家の吉田五十八さんと作庭家 の佐野越守さんが作り変えます。

そして、昭和52年に隣接する「北村美術館」を建築家の冨家宏泰さんが設計し、今の姿になっています。

時代に翻弄されながらも、名工と建築家が携わった貴重な建物と庭が楽しめる、私のお勧めの場所です。

 

 「北村美術館」は高さを抑えながらエントランスを二階に持ち上げ、ホールから「四君子苑」の露地を見下ろすことができ、寄り添うように建っています。

プランニングや全体の構成としても素晴らしいのですが、内部の展示室や階段の手摺や色彩デザインも一貫した美意識のもと丁寧に作られています。

昭和の数寄屋の傑作として「四君子苑」は有名ですが、隣接する「北村美術館」も素晴らしい建物だと思います。

北村美術館 エントランス
北村美術館 エントランス

「北村美術館」のエントランスホールから「四君子苑」を見る