『高床の家』の建て主さんより、「水面が見えなくなるほど、稲が育ちました」と写真を送っていただきました。
青々と育った稲穂に、生命力を感じます。
季節と共に移り替わる水田の風景を楽しんでいらっしゃることが、何より嬉しいです。
実りの秋には、どのような景色に出会えるか、今から楽しみです。
田植え前の田んぼに水が張られた様子
田植え直後の様子
稲が成長して青一色となった青田の様子
6月19日発売の「住宅建築」500号 にて、『高床の家』が紹介されました。
今回紹介された作品は、「雪害」に対応した住まいです。
近年、10年間で800人を超える方が、「雪害」により命を落とされており、けが人を含むと、さらに多くの方が被害に遭われています。
『高床の家』では、建築的な手法や工夫を凝らすことで、「雪下ろし、雪かき、雪囲い」といった雪国での重労働を取り除き、家を傷める「雪庇、結露」などの対策も試みています。
また、近年多くの方が、台風や集中豪雨、土砂災害などの「水害」に遭われていますが、『高床の家』の1階部分を木造から鉄筋コンクリート造に変えることで、河川沿いや高潮のおそれのある沿岸部の家にも、適応できると思っています。
家づくりの参考に、少しでもお役にたてれば、幸いです。
高床式住宅に近似した佇まい。
1階のピロティ部分は駐車場、室内は玄関と倉庫のみとし、居住スペースはすべて2階に配置している。
雪が積もった時の断面イメージ
雪下ろしの基準を記載した表示板を建物に据えつけます
大阪府豊中市にある「日本民家集落博物館」に、友人と行ってきました。
北は岩手、南は奄美大島まで、12棟の民家や倉庫、門などが移築されており、自然の広い敷地の中で、ゆったりと見学することができます。
この博物館の最大の特徴は、違う地域の民家を、一度に見比べることができることです。
北国の民家と南国の民家では、大きく異なります。
民家は、周りの環境や生業にあわせて、家の姿や形が変わり、地域の文化や伝統が、家の形として現れます。
民家は、人間が生き抜くための先人の知恵の塊です。
当時は、電気もガスも水道もなく、そのころの暮らしに想いをはせると、生きることの厳しさを感じます。
先人の暮らしの過酷さと、たくましさに触れる貴重な機会になり、民家の力強い佇まいは、当時の暮らしを無言で語りかけるようです。
民家は過去のものではなく、現代の暮らしにも役立つ知恵が詰まっていると私は思います。
河内布施の長屋門(大阪府)
日向椎葉の民家(宮崎県)
信濃秋山の民家(長野県)
大和十津川の民家(奈良県)
越前敦賀の民家(福井県)
吉武聖建築設計事務所のInstagramを開設しました。
竣工写真や、事務所での日常など、
少しずつですが、ご紹介できたらと思います。
建築家 阿部 勤さんの訃報を聞いたのは、2月のことでした。
昨秋、自邸の作品集が出版されたのを思い出し、
すぐに本屋さんへと走りました。
奇しくもその本は、
阿部さんの人生を振り返り、自邸50年の軌跡をまとめた本でした。
生い立ちから、家づくりの秘話、
住まいぶりや近所の子どもたちの噂話まで書かれており、
阿部さんのお人柄が本から伝わってきます。
藤塚光政さんが撮られた写真は、
阿部さんの家の「生活の匂い」まで捕らえています。
特に、表紙の書斎の写真は、
席を外した阿部さんが、今にも飲み物を片手に戻ってきそうで、
阿部さんが写った写真では、思わず涙がこぼれました。
18年前、ご縁があり、
ご自宅で、手料理を振舞っていただいたことがありますが、
気さくで優しいお人柄で、
ご自宅の説明やプライベートな質問にも快く応えてくれました。
お気に入りのノラ・ジョーンズが、途切れることなく流れ、
終電を逃すほど、居心地が良かったことを覚えています。
この本は、阿部さんのお人柄をうつしたように
多くの図面とともに、手書きのパースやスケッチを用いて
やさしく説明されています。
また、丁寧な構成や文体などから、
編集者の皆さんの阿部さんへの愛情も感じました。
どなたでも名作の秘密に迫れる素晴らしい本ですので、
多くの方に読んでいただけたら、嬉しく思います。
ノラ・ジョーンズを聴きながら、是非。
『高床の家』の建て主さんが、
「田植えが終わりました。これから、毎日、稲の成長が楽しみです。」と
リビングから撮った写真を送ってくださいました。
日々の生活のなかで、
季節の移ろいや里山の風景を楽しみながら、
暮らしていただけているのが、何より嬉しく思います。
3月の雪解けを待って、
『高床の家』の造園工事に行ってきました。
2階リビングから桜を楽しんでいただけるよう、
目線の高さに合わせて、桜を4本植えました。
新潟県の桜の開花は4月上旬とのことですが、
どんな景色をみせてくれるのか、今から開花が楽しみです。
雪景色の『高床の家』を、
写真家の畑拓さんに撮影していただきました。
雪国の天気は変わりやすいのですが、
天候にも恵まれ、無事撮影することができました。
リビングの窓から望む里山の雪景色は、
思わず息を飲む美しさで、
春には水鏡、夏には風になびく稲の波、
実りの秋には、黄金色の稲穂の絨毯が広がり、
これから、四季折々どんな景色を見せてくれるか楽しみです。
また、お引渡しから1か月ほどでしたが、
玄関には一輪挿しが飾られ、
テラスにはアウトドアチェア、
薪ストーブの周りには、ファイヤーツールが置かれていました。
この家での生活を愉しみながら、
大切に暮らされているのが、何より嬉しかったです。
ピロティ撮影の様子
外観撮影の様子
一瞬の光を捕えようと、
じっとカメラを構える畑拓さん
書斎コーナー撮影の様子
和室撮影の様子
建物が完成したとの報告を受け、
新潟の『高床の家』に行ってきました。
家が完成すると、建築主へのお引渡しの前に、
まず、設計者による設計検査を行います。
設計検査は、建築主に安心して、
引き渡しを受けていただく為にも、
大切な検査だと考えています。
検査では、現場監督さんや職人さんと一緒に、
一つ一つ丁寧に確認を行い、
不具合がある場合には、
一緒に対策を考え、是正工事を行います。
現場監督さんや職人さんのご協力により、
とても品質の高い家ができていました。
是正工事が終わったら、いよいよ引き渡しです。
厳しい雪国の暮らしのなかで、暖かい灯がともる
凛とした冬空のもと、
地鎮祭が厳かに執り行われました。
この家は、敷地の法律的な制限が厳しく、
さらに3.6mの高低差と、解体できない擁壁もあり、
修業時代にも経験したのことない、とても難しい設計となりました。
今まで培った知識だけでは、設計が叶わず、
新たに勉強しては設計し、新たに勉強しては描き直し、
長い時間がかかってしまいました。
その間、私を信じ、設計を預けてくださった建築主ご家族と、
ようやくこの日を迎えることができ、
式典の挨拶では、これまでの想いに、自然と涙が溢れました。
この日は 冬至でしたが、
冬至はこの日を境に日照時間が延びていくことから、
陰の気が弱まり、陽の気に向かう折り返し地点と考えられていたそうです。
この考えは『一陽来復』(いちようらいふく)といわれ、
長い設計期間が終わり、工事着工を迎える門出に
ふさわしい一日になりました。
祝詞奏上:神主さんが工事を祈り、祝詞を奏上します
鍬入れの議:建築主が鍬を持ち、鍬で盛砂を掘ります。
凛とした空気に包まれながら、静かに地鎮祭が執り行われました
木工事が終盤を迎えたとのことで、
『高床の家』の品質監理に、新潟に行ってきました。
里山の季節は、前回のトンボが飛び交う小春日和とは一変して、
横なぐりの風と雨で気温は下がり、雪国の厳しい冬の訪れを感じます。
現場では、外部の足場も外され、
大工さんが押入などの棚板を加工し、木工事も終わりを迎えていました。
季節の移り変わりとともに、工事もいよいよ最終段階へと移ります。
ピロティ部分
外からリビング窓を見る
軒先をしたから見上げる
ピロティの天井も張られました
棚板を加工する大工さんの向こうには、里山の景色が広がる。
クローゼットからサンルームを見る
押入棚を作る若い大工さん
暖かな秋晴れ、『高床の家』の品質監理に、上越に行ってきました。
現場は順調に進み、外部周りの仕事へ進んでいました。
建築業界も高齢化が進んでいるといわれていますが、
現場には、20代の若い職人さんの姿が多く見受けられ、
活気のある現場でした。
電気や水道関係の配線、配管工事も中盤に差し掛かり、
工事は次の段階に移ろうとしています。
大きく張り出した屋根が、美しく、足場が取れるのが楽しみです。
水田からの外観
屋根の上から見る春日山城跡
軒裏と外壁
ピロティの設備配管
ピロティの倉庫部分
ガラス取り付けの様子
小雨が降る秋、
『高床の家』の上棟式がとり行われました。
コロナによるウッドショックやウクライナ情勢、
物価の高騰など、
度重なる未曾有の災害の影響を受け、
何度も何度も、設計の見直しや見積調整を行い、
ようやく上棟までたどり着くことができました。
上棟式での挨拶では、
建築主からこれまでの苦難を乗り越えた想いや感謝の言葉に、
思わず目頭が熱くなりました。
くしくも上棟日は、私の誕生日で、
最高のプレゼントとなりました。
建築主のご家族の皆さま、
本当におめでとうございました。
建物の全景
ピロティ部分
LDKの様子
小屋裏通気口
節のない良材の破風板
屋根の様子
『高床の家』の材料検査に、行ってきました。
こちらの建物は、もともと小学校の体育館だったそうで、
天井には、木組みのトラスが高密に配置されています。
雪国らしい重厚で、ダイナミックな建築は、まさに圧巻です。
木材の材料検査では、
樹種や使用箇所の確認、含水量などの測定を行い、
品質も併せて確認します。
材料検査の後には、基礎の金物検査も行いました。
監理が行き届いた丁寧な現場に、
職人さんも気持ちの良い方たちばかりで、
ますます完成が楽しみになりました。
稲刈りが終わり、里山の風景も秋の装いに変わり始めています。
来月はいよいよ上棟です。
上越の川住材木店さんが、
良材を揃えてくださいました
大工さんと相談しながら、
化粧柱の配置を決めます。
含水量の測定も行います。
基礎工事の様子
アンカーボルトが適切に設置されているか確認します。
基礎幅のチェックも
行います。
『高床の家』の配筋検査に行ってきました。
きれいに組まれた鉄筋は、非常に丈夫で、美しく、
丁寧な仕事が伝わってきます。
配筋検査の後は、
上棟に先立って、プレカットの打ち合わせもしてきました。
来週は、いよいよコンクリートの打設が始まり、
上棟に向けて、準備が整いつつあります。
雪国の家らしい、強靭な構造の木造住宅ができていきます。
配筋検査では、構造事務所の設計者さんと一緒に
検査していきます。
コンクリートの仕上がり高さや勾配も、
丁寧に糸を張り、念入りに打設準備をします。
配筋検査の後には、現場監督さんや大工さんなどと一緒に、
今後の工事計画について話し合いました。
玉串拝礼:建築主から順番に、設計者や施工者が玉串を捧げ、お祈りをします
不安定な天気が続いていましたが、この日は夏空の広がるいいお天気になりました
京都市内にある「狸谷山不動院」に、お礼参りに行ってきました。
山の中にある本堂の奥には洞窟があり、
もともと洞窟の岩肌部分に、不動明王像を安置したのが始まりだとか、、。
その後、その洞窟を覆うように、お堂が建てられた珍しいお寺です。
ご本尊の咤怒鬼(たぬき)不動明王は、
その名のとおり、直視するのがためらうほどの眼力で、
えもいわれぬパワーを感じます。
古くから修験道の寺院として知られているだけに、
本堂までの道はハードですが、どこか不思議な空気感のあるお寺でした。
山から迫り出すように建てられた「懸崖造り」(かけづくり)の本堂は、
木組みの上にたっています。
250段の石段の始まりには、たくさんの狸の置物が出迎えてくれる
「懸崖造り」は「舞台造り」とも呼ばれ、清水寺の舞台と同じ作りになっている。
本堂からは山の間から京都市内が一望できる
山頂まで約550m参道には、杉や桧が生い茂る
『囲い庭の家』の造園を手掛けていただいた
厚生労働省より贈られる【現代の名工】(卓越した技能者) に選ばれました。
愛媛新聞社とテレビ愛媛でも取り上げられ、
テレビ愛媛では、『囲い庭の家』の写真も紹介されました。
越智さん、本当におめでとうございます!
「愛媛新聞」より
『囲い庭の家』の竣工写真をWORKSに掲載いたしました。
この住宅は、緑豊かな中庭を、
平屋建ての建物で囲んだコートハウスの作品です。
寝室などのプライベートスペースも一階にあり、
すべての部屋から、中庭を楽しむことができます。
また、太陽の動きに合わせて、
時間の流れとともに日の当たる部屋が移り変わり、
中庭を通した風や木漏れ日が、室内を美しく演出します。
ご覧いただけましたら、幸いです。
撮影していただきました。
今回の撮影では、
コートハウス形式でも、建物の全体像がわかるよう
ドローンによる鳥瞰写真もお願いしました。
ドローン撮影では、
音をたてて空中に舞い上がるドローンに、
子どもも大人も興奮し、
タブレットに映る鳥瞰写真に、みんなで感嘆の声をあげながら、
想い出に残る楽しい撮影となりました。
建て主のご家族の皆さまには、
引越しからあまり時間もないなか、
床の間やリビングを美しくしつらえていただいたり、
休憩時間に鞆の浦をご案内いただいたり、、と
長い時間、撮影にご協力いただきまして、本当にありがとうございました。
また、撮影日には、造園家の越智將人さんご夫妻や、
現場監督さんご夫妻もお越しいただき、
思いがけず、この作品に携わっていただいたご家族の皆さまにも
ご覧いただけて、本当に嬉しかったです。
『囲い庭の家』が完成し、引渡しを迎えることができました。
建築主のご家族の皆さまをはじめ、
施工を担当してくださった「ホーム株式会社」の角田社長、
現場監督さんや大工さん、
造園工事をお願いした「創造園」越智將人さん、、、
工事に携わっていただいた皆さんに喜んでいただけたことは、
設計者として、この上ない幸せを感じています。
また、造園家の越智將人さんとは、
10年前、専門誌で作品を拝見して以来、
「いつかお仕事をご一緒できたら、、。」と思っていたので、
長年の願いが叶い、お仕事をご一緒できたことは、
大変貴重な経験となりました。
多くのご縁に恵まれ、
みんなで協力して、一つの家をつくっていく、、、
あらためて『ものづくり』の楽しさや充実感を感じました。
携わっていただいた皆さんに、心より感謝申し上げます。
後日、写真を撮影し、HPで紹介いたしますので、
また、ご覧いただけたら嬉しく思います。
『囲い庭の家』の現場監理に行ってきました。
屋根工事や外壁の左官工事が終わったので、
監督さん立会いのもと、検査を行います。
外壁の左官工事では、
職人さんの技術力の高さが光る仕上がりに驚きました。
来週からは、いよいよ外壁の塗装工事が始まり、
これで外観がほぼ整います。
内部は、断熱材工事が終わり、少しずつ室内の雰囲気が出来てきました。
また、検査後に行ったロールスクリーンの打ち合わせでは、
修業時代からお世話になっている業者さんが、
大阪から職人さんを連れて、車で福山まで来てくれました。
久々に会うことができて、嬉しかったです。
屋根から見た中庭
屋根完成
軒先の様子
技術力の高さが光る左官工事
リビングの様子:壁には断熱材が綺麗に敷き詰められています
『囲い庭の家』の唐紙選びに、
京都修学院の「唐長」さんへ行ってきました。
「唐長」さんは、江戸時代から唐紙を作り、
約400年続く日本唯一の唐紙屋さんです。
今もその伝統を守り続け、二条城や桂離宮をはじめ、
多くの重要文化財保存にも尽力されています。
今回は、11代目当主に、唐紙選びにご協力いただきました。
唐紙選びは、光の入り具合により柄の見え方が変わりますので、
完成をイメージしながら、建て主さんと一緒に選んでいきます。
貴重な作業場や、先祖代々受け継がれる大切な版木なども見せていただき、
歴史の重みや日本の伝統に触れる貴重な時間となりました。
建て主さんも、今から和室の完成を楽しみにされていました。
作業場にて実際の唐紙を見せていただきました
秋晴れの穏やかな日に、
『囲い庭の家』の上棟式がとり行われました。
今まで設計図の紙の上や模型で考えていたことが、
いよいよ形となって現れる瞬間です。
早朝より柱や梁が手順よく組み立てられ、
瞬く間に、家の形なっていくさまに、感動や高揚感を感じます。
建て主の娘さんも「私の部屋はどこ? うんていはつく?」と、
とても嬉しそうでした。
夕方には、無事に棟も上がり、上棟式が行われました。
やわらかな夕日が差し込む、美しい式典となりました。
工事を担当していただいた現場監督さんをはじめ、大工の皆さん、
長い時間、ありがとうございました。
祭壇に、工事の安全と、無事に建物が完成することを願って、お祈りをします
上棟の様子
工務店の社長さんも一日、
付き添ってくださいました
7名の大工さんが一気に棟まであげていきます
『囲い庭の家』の化粧構造材の材料検査に、
現場監督さん、大工さんと一緒に、プレカット工場に行ってきました。
まずは、柱の含水量を測定し、検品します。
その後、一本一本、節の位置や木目、木の性格を見極めながら、
図面に合わせて、柱の配置を決めていきます。
大変な作業でしたが、
帰りには、瀬戸内の美しい夕日を見ることができました。
『囲い庭の家』の配筋検査に行ってきました。
丁寧に編まれた鉄筋は、精度が高く、
とてもきれいな仕上がりとなっていました。
配筋検査が無事終了すると、
いよいよコンクリートの打設が始まります。
いい基礎ができそうで、完成が楽しみです。
師である横内敏人先生から
素敵な作品集を贈っていただきました。
今回の作品集は、「庭と建築」をテーマにまとめられ、
あとがきには、これまでの人生のあゆみや、出会いなども綴られており、
本作品集は、横内先生そのもののように感じました。
「庭と建物」が一体的に切りとられた写真はどれも美しく、
写真から伝わる、木々の青さや匂いとともに、風を感じ、
ゆったりとした時間の流れを感じます。
庭と建築とを一体的に設計することで生まれる豊かな環境は、
日本人の心の奥深くにある意識に、やさしく語り掛けるようです。
コロナ禍の今、
ライフスタイルや家に対する価値観は大きく変化しています。
そんな中、庭と建築をテーマにした作品集ができたことは、
何か不思議な縁を感じます。
書店にお出かけの際は、手にとって、感じていただけたらと思います。
『囲い庭の家』の地鎮祭に行ってきました。
「地鎮祭」は、家の工事に先立ち、
その土地の神様に、その土地を使用するお許しをいただき、
工事中の安全と、完成した家の繁栄を願うための儀式です。
その起源は古く、「日本書記」にも記述が残っているのだとか、、。
当日はあいにくの雨模様でしたが、
建て主ご家族の笑顔がこぼれる素敵な一日となりました。
「家づくり」も大きな節目を迎え、いよいよ着工です。
今から春の竣工が楽しみです。
設計者が「鎌」、施主が「鍬」、施工者が「鍬」を手に持ち、順に盛砂に作業する仕草をします
玉串拝礼:参列者が順番に玉串を捧げ、お祈りをします
工務店さんの資材工場には、時間をかけて自然乾燥された木材が、大量にストックされています
琵琶湖の南西、比叡山の麓に位置する『円城寺』に行ってきました。
『園城寺』は一般的に『三井寺』の名で、
古い歴史と文化財、また、数多くの伝説が残る寺として知られています。
「一切経堂」と呼ばれる禅宗様のお堂の中央には、
経典が納められた回転式の「八角輪蔵」があります。
暗がりの室内に足を踏み入れた瞬間、
あまりの巨大さと、おびただしい数の箱に、
一瞬、これは何だろう、、。と戸惑いながら、
寂びた柱や梁が、仏教の歴史の深さと尊さを語りかけているようでした。
今回もう一つ見学したかった「光浄院客殿」は、
残念ながら、特別拝観を中止されていましたので、
是非、また訪れたいと思います。
『上越 春日山の家』の打ち合わせに、
新潟・上越高田に行ってきました。
今回の打ち合わせは、
作成した1/100模型を実際の建築予定地に持っていきました。
窓から見える景色なども確認しながら進めることができるので、
実際に暮らし始めたときのイメージがしやすく、
充実した打ち合わせとなりました。
打ち合わせの終わりには、
またまた美味しい新潟の海の幸をご馳走になり、
お腹も充実した、しあわせな夜になりました。
作成した模型の写真は近日、WORKSにてUPする予定ですので、
よろしければ、またご覧ください。
鯛やハマチなど、今回も美味しいお刺身をたくさんいただきました
学生の頃から好きだった、清家清の代表作のひとつ
『豊雲記念館』のある『盛花記念センター』が、
この春、閉館されると聞き、閉館記念展に行ってきました。
『豊雲記念館』には、
華道小原流の三世家元である小原豊雲の再現作品とともに、
小原豊雲の美術コレクションが展示されています。
山の傾斜地を利用した広い敷地内には、
『豊雲会館』のほか、『旧家元会館』、『盛花記念館』など
小原流の建築が点在しています。
どの建物も傾斜のある敷地と一体化しながらも、それぞれに存在感があり、
それでいて、全体が絶妙なバランスでデザインされていて、
空間にもたつきや、よどみがありません。
なにより、小原豊雲の理想にどこまでもこたえようとした
建築家の思いが伝わってきます。
なにか、建築家が目指すひとつの答えを教えてもらったような、、
そんな気がしました。
「華道家・小原豊雲」と「建築家・清家清」という
二人の奇才だからこそ生まれた、
唯一無二のこの世界がなくなってしまうのは、なんとも惜しい。
昭和の名建築がまたひとつ消えていくことが、本当に残念でなりません。
今はただ、何かのかたちで、
この作品がこれからも存在してくれることを、願うばかりです。
山の傾斜に埋もれるようにつくられた『盛花記念館』から屋上庭園を望む
42歳という若さで亡くなられた四世家元・小原夏樹さんのインタビュー記事には、
苦悩しながらも、華道にどこまでも真摯に向かい合う姿勢に、心打たれました
先日、『兄の家』の二年点検に行ってきました。
久々の『兄の家』は、新緑が庭を覆い、
家のなかも、すっかりこの家での生活に落ち着いた様子。
手づくりの薪棚も、一年点検のときから、数を増やし、
子どもたちと一緒に割った薪が、
軒下にたっぷりと積み上げられていました。
薪ストーブが、兄家族にとって、
寒い冬の拠り所になっているのが窺えます。
また、昨年には薪ストーブのメンテナンス講習も受け、
年に一度の煙突掃除も建て主である兄、自ら挑戦するそうです。
便利な世の中で暮らす現代人にとって、
薪ストーブのあるくらしは、決して便利なことばかりとは言えませんが、
火のある暮らしを積極的に楽しみ、
手間をかけることも、家族で愉しんでもらえていることが
嬉しく思います。
軒下に積まれた薪は、風よけになると同時に、北風で薪が良く乾く効果もあります
登呂遺跡に行った際、同じ登呂公園内の一角にある
『芹沢銈介美術館』にも立ち寄りました。
『芹沢銈介美術館』は、別名『石水館』とも呼ばれ、
建築家 白井晟一さんの作品として、「公共建築百選」にも選ばれています。
芹沢銈介という名前を知らずとも、暖簾や本の装丁など、
自然と目に触れていることが多い芹沢銈介の作品。
日本人らしい色づかいやモチーフを用いて、
素朴で実用的であるにもかかわらず、
どこかモダンで、今みても新鮮に映ります。
また、芹沢銈介は染色家としてだけではなく、
優れた工芸品の収集家としても知られ、
館内には芹沢銈介の作品とともに、
収集された工芸品も数多く展示されています。
工芸品の多くは、彼自身が旅先で集めた
アジアをはじめ、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、オセアニアなど
世界各国の品々。
どの品も芹沢銈介自身が楽しみながら収集し、
いとおしんでいたのが伝わってきます。
鑑賞後には、芹沢銈介の一貫してブレない美意識と、
収集家としての卓越した審美眼に、
同じ郷里であることを誇らしく思いながら、
必ずまた訪れようと思いました。
もともとは宮城県にあった「板倉」を気にいった芹沢銈介が、自邸内に移築改築してつくられた
先日、横内敏人建築設計事務所の先輩である吉川史子さんから
素敵な本を贈っていただきました。
著者は、吉川史子さんをはじめとする、
現在も子育てをしながら、建築を仕事にされている男女16名。
私自身も、子育てをしながら建築の仕事をしている身なので、
著者の皆さんが、苦労や工夫を重ねながら、
日々過ごされている様子に、反省や共感を覚えつつ、
「明日もがんばってみようかな、、」とちょっと元気をもらいました。
子育てしながら、仕事をされている方はもちろんですが、
これから結婚や子育てをされる方や
建築の道にすすもうとしている方にとっても、
リアルな将来を思い描きながら、それを乗り越えるためのヒントが
たくさん散りばめられている一冊だと思います。
書店にお出かけの際は、手に取っていただけたらと思います。
12月13日発売の「和モダン vol.10」のなかで、
「兄の家 / 中庭で守る家」が掲載されています。
創刊10周年の記念すべき号に、
師である横内敏人先生と同じ号に掲載され、
とても感慨深く、これからの設計活動の原動力となりました。
また、私の大好きな作品の一つである
藤井厚二さんの「聴竹居」をはじめ、
尊敬する建築家の方々の作品も多数掲載されています
書店にお出かけの際は、ぜひご覧ください。
静岡県 住まいの文化賞の表彰式に行ってきました。
今回の表彰式には、建築主である兄をはじめ、
施工を担当いただいたエフ・ベースさん、
構造設計を担当いただいた高橋俊也構造建築研究所の髙橋さんにも
ご参加いただきました。
久しぶりに関係者が一堂に揃い、思い出話に花を咲かせ、
楽しい時間を過ごすことができました。
地元・静岡での受賞に、気持ちも新たに、
これからも真摯に設計に取り組んでいきたいと思います。
関係者の皆さま、ありがとうございました。
8月19日発売の『住宅建築』10月号の特集「佇まいとプロポーション」に
「兄の家 / 中庭で守る家」が掲載されています。
今回の掲載にあたり、改めて撮影していただいたのですが、
竣工して1年が経ち、庭の樹木も一回り大きく育ち、
床や家具も少しずつあめ色に変化し始めていました。
何より、そこに日々の生活が加わり、
暮らしぶりのわかる写真になっています。
書店にお出かけの際は、ぜひご覧ください。
最後に、撮影に協力して下さった施主家族の皆さま、
長い時間、撮影にご協力いただき、ありがとうございました。
竣工して1年が経ち、庭の芝は青々と生えそろい、樹木も一回り大きくなりました
「兄の家」が、雑誌『住宅建築』10月号(8月19日発売)に
掲載されることになりました。
『住宅建築』は、
私が学生時代に建築家を志すきっかけともなった、思い出深い専門誌です。
初めて出会ったのは、日も傾いた学校の図書館でした。
授業で難しい教科書ばかりを見ていたので、
多くの写真と図面が新鮮で、
その中で活躍している建築家の方々が眩しく映りました。
「いつか、こんな素敵な家が設計できたら、、、」と
胸を躍らせたのを今でも憶えています。
今回の掲載を嬉しく思うとともに、
担当していただいた現場監督さんをはじめ、
この作品に携わってくれた方たちが、
掲載を楽しみにしてくれていることが、
何より嬉しく思います。
先日、5年ぶりに新潟に行ってきました。
新潟は、修業時代に「上越高田の家」を担当させていただき、
何度も訪れた、思い出深い場所です。
今回は建て主さんのご厚意で、
「上越高田の家」も見学させていただいたのですが、
建物を見た瞬間、当時の記憶が鮮明によみがえりました。
建て主さんや職人さんたちとの打ち合わせ、
生まれて初めて食べたノドグロや鮫、
特にノドグロの塩焼きの美味しさは今でも忘れられません。
何より、多くの素敵な出会いがあり、
私は、すっかり新潟が好きになってしまいました。
そんな新潟に、こうしてまた訪れることができたこと、
大変嬉しく、幸せに感じています。
北陸新幹線が開通して、新潟がグッと近くなりました
「雑木の手入れ」について、
わかりやすく紹介している本に出会いました。
この本のいいところは、
いわゆる図鑑としての樹種の紹介だけでなく、
剪定などの日頃の手入れの仕方について、
写真やイラストを多く用いて、初心者にもわかりやすく、
丁寧に説明されていることです。
だれでも難しいと思われる、切り落とす枝と残す枝の選び方、
肥料の必要な樹種やあげる時期、害虫駆除の対処方法から
ハサミなどの剪定道具の紹介に至るまで、丁寧に1冊にまとめられています。
維持管理や、剪定の仕方に困っている方だけでなく、
「一本だけ足したいんだけれど、専門家に頼むのも、、、。」
「樹木を植えようと思っているけれど、何がいいかわからない、、。」
と樹種選びに迷われている方にもおすすめです。
ちょっと難しそう、、と思っていた庭づくりを、
きっと身近に感じることのできる一冊だと思います。
「兄の家」も早いもので、
引渡しから一年が経ち、一年点検に行ってきました。
一年点検も、半年点検と同様、お客様立ち合いのもと、
施工を担当していただいたエフ・ベースさんと一緒に、
記録をつけながら、外壁などの外部から、室内の設備機器に至るまで、
一つ一つ丁寧に点検を行います。
それ以外にも、一年生活してみて、
お客様から気になる点などがあれば、合わせて調整を行い、
職人さんが必要な場合には、後日改めて調整に伺います。
一年点検でも、大きな不具合もなく、
快適に過ごされているとのことで、
特に冬場は、真冬でも日中は暖房器具をつけることなく、
過ごされたそうです。
陽が落ちる頃、薪ストーブに火をくべれば、
すぐに家中が暖まり、朝方まで快適とのこと。
さらに、やかんをストーブの上に置き、加湿も兼ねられるうえ、
冬場の乾きにくい洗濯物もカラッと乾くそうで、
想像以上の薪ストーブ効果に、お客様も大満足されていました。
ただ、想像以上に薪ストーブが活躍するので、
たくさんの薪を置ける場所が必要になり、
今回の点検の際に、薪棚のご提案もさせていただきました。
点検後、早速、器用なご主人がホームセンターで単管パイプを購入し、
楽しそうに、簡易の薪棚を作られていました。
薪ストーブのある暮らしを、
家族みんなが楽しまれているのが伝わり、
嬉しく思うと同時に、
火のある暮らしがもたらす恵みの大きさを改めて感じました。
ご主人手作りの簡易の薪棚
『兄の家』こと『中庭で守る家』が、
第1位を受賞いたしました。
審査委員長の講評から、
図面や設計意図を丁寧に汲んでいただけたことが伝わり、
大変嬉しく、これからの設計活動の励みとなりました。
建て主のご家族をはじめ、
工事に携わっていただいた全ての方々に、感謝を伝えると共に、
これからも一生懸命、設計活動に取り組みたいと思います。
毎年恒例となっている吉田神社の「節分祭」に行ってきました。
このお祭りは、室町時代に始まった歴史あるお祭りで、
毎年50万人もの参拝者と、約800店の露店が軒を連ねます。
「厄除けの発祥の杜」としても知られる吉田神社ですが、
八角形の本殿に、後方に六角形の部屋がついた大変珍しい形をしていて、
重要文化財にも指定され、建築物としても有名です。
節分の深夜に行われる「火炉祭」では、
高さ5mの炉に溢れるほどに納められたお守りやお札に火が点けられ、
巨大な火柱が冬の夜空を焦がします。
他にも、参拝者の楽しみの一つにもなっている
「抽選券付きの厄除け福豆」などもあり、
京都の節分には欠かせないお祭りになっています。
参拝者が持参した全国各地のお札やお守りがここに焼き納められます
2017年がスタートし、事務所も3年目を迎え、
今年は、事務所としての真価が問われる年になりそうです、、、。
事務所として、もう一回り成長できるよう、
手を休めず、良いモノを作りつづけられたらと思います。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
地元・静岡市清水港よりお正月の富士を眺める
東京の目黒駅から徒歩5分、
高層ビルが立ち並ぶ街中に、ひっそりと佇む小さな教会、
『聖アンセルモ カトリック目黒教会』に行ってきました。
建物の内部は、
コンクリート打ち放しの構造が、アコーディオンのように折りこまれ、
力強く、重厚な雰囲気がつくりあげられています。
また、連続する折り込まれた壁から差し込む光は、
神々しくも美しく、
日没まで刻々と変わる光の入り方や、室内の質は、
その瞬間、瞬間で唯一無二の表情をみせてくれます。
幸運なことに、見学時にパイプオルガンの練習をされていて、
音響効果を体験することもできました。
その音色は、まるで建物自体が楽器の様に響き、
一瞬にして、室内の雰囲気を一転させ、
さらに素晴らしい空間へと変化させます。
光、音、建物の意匠、構造、、、
さまざまなエレメントが響きあう素晴らしい教会でした。
設計者であるアントニン・レーモンドは、
もともと好きな建築家の一人でしたが、
この教会に来て、ますますレーモンドに魅せられてしまいました。
一見すると、教会とは気がつかないような外観
『兄の家』こと、『中庭で守る家』が、
「第5回チルチンびと住宅建築賞」の若手建築家部門において、
「優秀賞」をいただきました。
事務所として一作品目となる作品でしたので、
完成までに時間もかかりましたが、
その分、情熱もたくさん注いだ大切な作品でしたので、
本当に嬉しく思います。
そしてこれからも、
自分たちらしく、丁寧に作品をつくり続ける勇気と励みになりました。
最後に、建て主のご家族をはじめ、
この作品に携わって下さった多くの皆さまに、
この場をお借りして、心よりお礼申し上げます。
12月初旬、久々に「蓮華寺」に行ってきました。
「蓮華寺」は京都市左京区、
鴨川の源流の一つである高野川のほとりにある小さなお寺で、
池を中心に配した池泉廻遊式の庭園が美しく、
紅葉の名所としても知られています。
何年か前に、JR東海のCMで紹介されてから、
以前より観光客が増えたものの、
それでも行くには少々不便なところにあるせいか、
静かにゆったりと拝観することができるお寺です。
決して派手さはありませんが、喧騒から離れ、
つい物思いにふけ、長居したくなる不思議な魅力があります。
そして、もう一つ、
このお寺の樹木やコケのお手入れは、
基本的にお寺の方がされているとのこと。
自然豊かな場所を重んじて、
敢えてあまり造形的にならないよう、心掛けているそうです。
お庭が自然の一部のように感じるのは、そのせいでしょうか。
自然な姿に敵うものはない、、ということなのかもしれません。
京都岡崎にある、名勝 無鄰菴の『もみじ茶会』に行ってきました。
毎年、もみじの見頃の時期にあわせて開催される『もみじ茶会』
普段は立ち入れないお茶室の見学や
一般公開されていない二階の座敷で、お点前を楽しむことができます。
京都のお寺に行くと、時々、お抹茶を頂くことがあるのですが、
茶会は久々だったので、少し緊張しながら臨みました。
でも、いざ茶会が始まると、独特の空気感の中、
おもてなしの心や、不思議な一体感に包まれ、
談笑も交えながら、最後はとてもあたたかい気持ちになりました。
『名勝 無鄰菴』についても少しご紹介すると、
無鄰菴は、内閣総理大臣も務めた山縣有朋の別荘として、
明治時代に造営され、近代の名園として、国の名勝にも指定されています。
庭園は、七代目 小川治兵衛が作庭したもので、
この日は、庭師さんによる庭の解説もあり、
当時の秘話など、楽しいお話をたくさん聞くことができました。
東山を望む絶景に、色づいた紅葉、
そして、疎水から流れる水のせせらぎ、、
五感に響く、何とも言えない安らぎと
豊かな時間を過ごすことができました。
茶会の様子:着物のもみじに、おもてなしの心が伺えます
離れの洋館には、日露戦争開戦前の『無鄰菴会議』に使われた部屋が、当時のまま残されています
「兄の家」の半年点検に行って来ました。
お客様立ち合いのもと、
施工を担当していただいたエフ・ベースさんと一緒に、
記録をつけながら、点検を行います。
点検箇所は、屋根、外壁、基礎、床下などの外部から、
床、壁、天井、建具、設備などの内部まで、一通りすべてチェックします。
このときお客様から、実際使用してみて、
気になる点などがあれば調整も行います。
2時間かけて、一つ一つ丁寧に点検を行い、
お客様にも喜んでいただけました。
また、薪ストーブも少しずつ使われているそうで、
「今度、ピザを焼くんだよ。」と
もうすぐ来る冬を楽しみにされているようでした。
引き渡しから半年経過した「兄の家」は、
床や家具の色が少し濃くなり、
中庭の芝も生えそろってきていて、いい感じです。
次回は半年後の一年点検。
これからの変化がますます楽しみです。
正面入口のジュンベリーやモミジは、葉を落とし始め、すっかり秋の装い
中庭の芝も生えそろってきました
先日、京都府立図書館で、いい本に出逢えました。
建築の本というと、
「聞きなれない言葉や、専門性が高くて、少し難しい、、、。」
そんな本が多いと思っている方も少なくないと思います。
『住宅設計と環境デザイン』というこの本は、
居心地の良い、住みやすい家を建てる上で大切な
「環境」をキーワードに、わかりやすく、
図や写真を用いて、解説しています。
家を建てるには、どのような事を考えたらいいのか。
そんな疑問に応えてくれる本だと思います。
項目ごとに細かく分かれているので、
自分が興味があるところから読んだり、
必要な部分だけ読めるのも、この本の読みやすいところ。
これから家を建てたいと思っている方、
建築を勉強している学生の方などにも、
一度、手に取っていただけたらと思います。
O邸の模型が完成したので、事務所前で撮影をしました。
事務所前には、自然豊かな広い公団住宅があり、
かつて紡績工場だった時代のレンガ造りの広場や、
一部の建物が今でも残されています。
少しレトロなその雰囲気が好きで、撮影場所として、
ときどき使わせていただいています。
模型は庭や車も一緒に作ることで、建物だけよりも
グッと全体の佇まいがイメージしやすくなりました。
開放的な2階LDKは、木立に囲まれ、気持ちのいい空間になりそうです。
窓から枝葉の緑や、木漏れ日を楽しめるのも、2階のLDKならでは。
また、詳細は後日、WORKSにアップする予定でいます。
屋根を外して上から撮影、建物と庭の関係がよくわかります
資料収集に『京都府立図書館』に行ってきました。
家の近くにも地域図書館があり、
そちらは、これまでもよく利用していたのですが、
さすが府立図書館、専門書の蔵書数が違います。
ついつい、あれも、これもと借りてしまい、
帰りは思いがけず大荷物に、、、。
それでも、まだ借り足りず、近々また伺うつもりでいます。
この『京都府立図書館』は、
「関西建築界の父」と呼ばれた「武田五一」さんの作品です。
他にも京都大学や京都市役所なども手がけ、
近代日本建築の偉大な建築家の一人と言われています。
今はもう残念ながら、阪神淡路大震災で、
当時のものは正面部分のみですが、
京都府立図書館:中は明るく、清潔感があります。
知り合いの工務店さんに頼まれた築30年のお宅の修繕工事の
現場に伺いました。
今回は屋根の葺き替えと、外壁の傷んだ部分の取替えを行います。
外壁のタイルは、築30年とあって、なかなか同じものはみつからず、、。
様々なメーカーに問い合わせ、なんとか似ているものがみつかり、
ホッとしました。
『建った時と同じ材料がない!』
これも修繕工事の難しさの一つです。
とはいえ、
新築住宅の気持ちよさや、楽しさはもちろんありますが、
Y様のように、すでに住んでいる家に手を入れながら、
『長く、大事に住む』というのも素敵な選択だな、、、と思います。