受け継がれていく文化財と技術


聖徳太子ゆかりの地「法隆寺」に行ってきました。

 

法隆寺は607年に建立された飛鳥時代の建物で、現存する世界最古の木造建築物です。1400年前の建物ですが、中国でも8世紀後半以降のものしか残っていないので、法隆寺の歴史的な価値がわかります。

 

建立当初は、大講堂や鐘楼、経蔵も回廊の外にありましたが、後に、回廊をのばして、今の形に作り変えています。棟木を支える「束」があるのが、後に作られた平安時代の回廊です。

また、金堂は軒の出が大きく、それが伸びやかで力強い建築の良さを生み出していますが、実は上層四隅に補強が必要なくらいに、構造的に無理をしながらデザインされています。龍の柱の彫刻は、飛鳥時代の建築的な力強さとミスマッチにも見えますが、これも江戸時代の寺工の修理技術の賜物です。

 

建築が残ることは、必ず修理し存続できる技術者が必要となり、工人の技術も時代と共に受け継がれてきました。これも日本の建築文化の特徴です。

日本の建築と技術継承の文化は、世界に誇る素晴らしい文化だと思います。

 

春の「法隆寺」は、偶然出会えた修学旅行生と南門を通る春風が爽やかで、心地よかったです。